伊勢神宮にも使われている伝統構法
一番のポイントは伊勢神宮に代表されるような伝統構法であること。
日本の気候風土に適し、地震に強い特徴があります。
昔から伝わる伝統構法は、
木の特性である「粘り」に期待をしていました。
それは木のめり込み(横圧縮)です。
板倉造りの構造 (地震に強い理由)
柱や土台、梁等の軸組に溝を掘ります。
そこに厚さ30mmの杉板を落とし込むことを、落とし板構法(板倉造り)と言います。
この構法は、地震や風などの水平力に対して、木材が唯一粘りを発揮する横圧縮で吸収する構法です。
落とし板構法
大きな地震が来ても分散されて力が加わる為、損傷は比較的小さくなる。
やわらかい材料からなるやわらかな構造
同時に、軸組の中に据えられた溝の中にこの杉板が納められている為に、脱落や剥落などの構造体の耐力の急激な減少につながる破壊を生じません。
これは昔からの伝統構法である「貫構法」に似たところがあります。伝統民家で伝えられてきた耐震性能は、この「貫構法」に代表される木(特に杉材)の持つ柔らかさ(メリコミ)を生かす「しなやかな」構造なのです。
板倉造りの経済性
押田建築で使用する板倉材は、
焼津の曽根製材にお願いしています。
技術と長年の試行錯誤の末に生まれた乾燥方法でのスギ材を使用しています。
厚さ30mmの杉を、床、壁、天井に共通とし、同材を多く使用することにより、コスト削減に結びつけたいと考えました。
床、壁、天井に厚板を使用するという事は、下地材を兼ねます。床であれば“根太”、壁であれば“胴縁や間柱”。
天井も、下地材が仕上材になっています。